2023年10月14日(土)「フリスペルwithイェスペル」のコンサートが行われました。

 北欧のBGMが流れる和やかな雰囲気の土曜の午後、輝きホールに多くのお客様が集まってくださいました。お子様の姿も見られます。楽しんでいただけるといいな。

 15時に第一部の開演です。1曲目は「羊飼い」と言う曲です。照明を落としたステージにアグネータさん、クラウディアさん、イェスペルさんが登場し、拍手の中、厳かな雰囲気で曲が始まりました。すると客席の扉から、ヨーランさんが登場。客席を通っての演出に、場内はすっかり彼らの世界に引き込まれていきました。

地を這うような独特の音色が特に印象的で、ホール中を震わせて音が広がって行きます。アグネータさんが奏するのはディジュリドゥという、オーストラリア先住民アボリジニの楽器です。見慣れない楽器にお客様は目も耳も奪われています。

たった4人で、40種以上もの楽器を自由自在に使いこなして、見て楽しく、聞いて不思議な音楽が奏でられていきます。

 ヨーランさんの日本語と、英語を交えたMCで曲の紹介もありましたが、客席はまだやや緊張気味に聞き入っている様子です。

 7曲目、ヨーランさんがコントラバスフルートで「荒城の月」の演奏を始めると、知っている日本の曲に、場内の雰囲気が一気にほぐれました。ヨーランさんのリードで、客席も荒城の月を一緒に口ずさみ、客席と奏者とが一体になったように感じられました。

 これですっかり、お客様はフリスペルのとりこです。その後も和太鼓と尺八をイメージさせるような、明るい中にも独特の曲想の曲などが続き、第一部を終えました。

 休憩の間に、CDコーナーにはたくさんのお客様がお越しになり、彼らの演奏を気に入って頂けたことが感じられ、まずはほっと一息。

 そして第二部。お客様のワクワクが伝わってくるようです。

1曲目はヨーランさんの故郷の結婚行進曲です。こんな素敵な曲で結婚式を彩ってもらえたら最高ですね。

第二部になり、日本語と英語の混ざったMCにも、お客様はすっかり慣れたようです。ヨーランさんは日本語がお上手だなと思ったら、奥様が日本人とのこと。嬉しくなったお客様も多かったようで、和やかな雰囲気でコンサートは進んで行きます。

 リコーダーを2本同時に吹く技に場内は拍手喝采。

 続いての曲はスタジオジブリ『ハウルの動く城』より「人生のメリーゴーランド」。深い音色がジブリの世界観にぴったりです。ジブリはギブリって発音するんですね。

 体中を楽器として使う、見て聞いて楽しいパーカッションとの掛け合いのようなダンス曲、足元から響き上がるディジュリドゥのソロなどが続きます。特にディジュリドゥの演奏は、今まで経験のない感覚にとらわれた方も多かったのではないでしょうか。

「ナ」と言うタイトルの曲は、ヨーランさんがお嬢さんのために作曲したダンス曲とのこと。おもちゃ箱をひっくり返したような、きらきらしたとてもかわいらしい曲でした。

その後も情景が目に浮かぶような曲が続き、あっという間にコンサートは終わりを迎えました。

アンコールでは、大小さまざまなリコーダーを次々と吹きこなし、場内を最後まで魅了し続けました。小さいお子様も身を乗り出して聞いていたことが印象的でした。

こうして、ゴージャスな衣装をまとい、スウェーデンやヨーロッパ中世の世界観を武豊に持ち込んだ魔女と魔王たちとのひと時は終わりを迎えました。

いえ、まだ魔法の途中です。終演後はその音楽を家まで持ち帰りたいお客様のために、飛び出す絵本のようなCDジャケットに、にこやかにサインをして下さっています。

素敵な時の続きを、帰ってからも楽しめそうですね。

by ka

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