2021年6月26日(土) サイエンスレクチャー2021が開催されました。
今回のサイエンスレクチャーでは、海洋生物学者の渡辺佑基さんをお招きして
「カメラをつけて大追跡!海の動物たちが見る景色~あっと驚く不思議な自然界へようこそ~」と題して講演いただきました。



渡辺さんは国立極地研究所という所に勤められていて、数年に1度南極か北極に行き海の動物にカメラやセンサー等を付けて
「バイオロギング」という方法で生態を調べられています。
ペンギンや動物に興味がありそうなお子さんも沢山ご参加いただきました。


武豊の講演では、当時撮れた世界初の映像を交えながら、4つのテーマでお話していただきました。
初めは「ペンギンは何をどんなふうにつかまえるか?」です。



南極のアデリーペンギンの研究をしていて、そこではペンギンが海に潜り、陸にあがる行動を繰り返しています。
陸上では何をやっているかは見ればわかるのですが、水中ではなにをやっているか分かりません。
そこでペンギンにカメラや、海の深さ等を測るセンサーを取り付けて記録する「バイオロギング」という方法で、ペンギンの生態を調べることにしました。
ペンギンはオキアミという小さなエビのようなものを食べるのは分かっていましたが、水中でどんなふうに食べるかは分かっていませんでした。


バイオロギングで何度か撮影の挑戦をして、ついに世界で初めてアデリーペンギンがオキアミを食べる瞬間を撮ることができました。
その結果、ペンギンは20m位の深さまで潜り、実際の速さで映像を見たところ、人間の目にはオキアミや魚は一瞬しか映っていなくて、
それでもペンギンは確実に食べていました。
ペンギンは優れたハンターで、すごい速さでオキアミや魚を食べていることがわかりました。

次に「南極の氷がなくなるとペンギンはどうなる?」です。
ペンギンが住む場所と言えば、南極のような氷がある寒い所で、きっと氷があるような所が良いのだろうなというようなイメージがあります。
では、南極の氷が無くなったらペンギンは困るのではないか、という疑問が浮かんできます。
それを渡辺さんは現地で調べてみました。
いつもは氷で覆われている南極ですが、氷が少ない年があり、バイオロギングでペンギンの行動を調べてみました。
氷で覆われているとペンギンは歩いて移動しますが、氷が無いとすぐに海に飛び込むことができ、泳いだ方が速いので、
より広い範囲を動いていることがわかりました。
またエサも多く獲れるので親鳥が体重を増やし、子どもも良く育っていました。
よって、氷がなくなると一般的にはペンギンは困るイメージですが、南極で調査した地点では氷が無い方が好都合なのではないか、ということが分かりました

次に「南極の氷がなくなるとペンギンはどうなる?」です。
ペンギンが住む場所と言えば、南極のような氷がある寒い所で、きっと氷があるような所が良いのだろうなというようなイメージがあります。
では、南極の氷が無くなったらペンギンは困るのではないか、という疑問が浮かんできます。
それを渡辺さんは現地で調べてみました。
いつもは氷で覆われている南極ですが、氷が少ない年があり、バイオロギングでペンギンの行動を調べてみました。
氷で覆われているとペンギンは歩いて移動しますが、氷が無いとすぐに海に飛び込むことができ、泳いだ方が速いので、
より広い範囲を動いていることがわかりました。
またエサも多く獲れるので親鳥が体重を増やし、子どもも良く育っていました。
よって、氷がなくなると一般的にはペンギンは困るイメージですが、南極で調査した地点では氷が無い方が好都合なのではないか、ということが分かりました。



次に「シュモクザメの奇妙な泳ぎ方」です。
オーストラリアのケアンズで、珍しいサメであるシュモクザメがたまたま捕まえられて、センサーを付けてみました。



その結果、サメが傾いて泳いでいるというデータが録れましたが、最初は変なデータだと思ったそうです。
しかしアメリカの水族館でシュモクザメを飼っている所があり、その映像を見た結果、確かに傾いて泳いでいました。
なぜかと考え、そもそもサメには浮き袋が無く、何もしないと沈んでしまいます。
シュモクザメには大きな背びれがあり、傾くことによって揚力(浮き上がる力)を得て、楽に泳いでいるのではないかと仮定しました。
検証の為、模型を作り傾けた状態で風を流してみた所、傾けた状態で揚力が大きくなることを発見しました。
よって、シュモクザメは傾いて泳ぐことで、楽に泳いでいることがわかりました。
そんなことすらまだ人類は知らないのですが、バイオロギングで初めてわかることもあるのですね。


最後に「アザラシは何をどんなふうに捕まえる?」です。
ロシアにあるバイカル湖は進化の博物館と言われていて、世界一深い湖で、独自の進化をした生物がたくさんいます。
そこにバイカルアザラシがたくさんいますが、このバイカルアザラシは何を食べているかよく分かっていませんでした。
一般的な食物連鎖からの予想では魚を食べていると思われていますが、実際は分かっていません。
マクロペクトパスという小さなヨコエビを食べるという仮説もありますが、それには一匹ずつ大量に食べる必要があり、
本当にそのような食べ方をするのか、アザラシにカメラを付けて調べてみました。
映像をみた結果、ヨコエビを一匹ずつ、凄い速さで大量に食べていることがわかり、その量は1日に4300匹にもなります。
また新たな疑問でヨコエビを食べる度に水を飲みこんでしまうのではと思われますが、
歯を調べたところ歯がギザギザになっていてそれがフィルターのようになり、舌で水を出してヨコエビだけを食べているようでした。
バイカルアザラシの繁栄の鍵は、小さなヨコエビを大量に食べていることでした。



質問では
「他に何を調べてみたいですか?」「海の動物を調べて何年たちましたか?」など、お子さんから沢山の質問がでました。



今回の講演会ではバイオロギングという調査方法によって世界初の映像やデータから、ペンギンやシュモクザメの生態が分かり、
海の動物達に興味を持っていただけたのではないでしょうか〜。

by なおき

ちらし


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