2021年4月29日(木祝)、YAMATO String Quartetのコンサートが行われました。



開演の10分前に、チェロの阪田宏彰さんが一人で舞台に登場し、プレトークが行われました。
配布されたプログラムに、阪田さんのプログラムノーツが丁寧に書かれていましたが、本日のそのプログラムに込めた思いや、意気込みを語ってくださいました。
「命を削るような曲ばかりで…」「終わって、無事に立っていられたら褒めてください」と、今日の演奏がいかに大変なものであるかも話され、公演がはじまる前の期待がさらに膨らみました。


第1部のテーマ「映画音楽」。耳馴染みのテーマや、映画の名場面を思い起こすアレンジの数々で、とても楽しめました。
1曲目の「ゴジラ」は、照明で赤く染まった背景の前で、緊張感と重厚感のあるサウンドと、時折怪獣の咆哮のような鋭い余韻も聴こえ、すっかり映画の世界へ誘われました。
3曲目の「ウエストサイドストーリー」は、ミュージカル映画としてはもちろん、オーケストラのコンサートピースとしても有名な楽曲です。
若者たちの躍動するダンスの場面、対立するグループの抗争の場面、恋人たちのあふれる気持ちを伸び伸びと歌声に乗せて語るあの場面…映画のストーリー順にしたメドレーだったので、最後の1音が弾かれたあとには、映画をまるっと見返したような感動に包まれました。


3部構成となっている本日の公演・・・休憩を挟んで、第2部の始まりです。
今年は、A.ピアソラ生誕100年にあたり、第2部では「ブエノスアイレスの四季」を夏から始まり秋~冬~春と奏で、音色から伝わる情景の豊かさを存分に感じることが出来ました。
特に「ブエノスアイレスの冬」では、静かにひたひたと春の訪れを感じさせるYAMATOの
演奏に、心が温まっている自分にびっくりしました。
曲の終わりはクラシックにないような、決めポーズもスタイリッシュなYAMATO。
徐々に心地よい世界に引き込まれ、YAMATOファンの気持ちがわかるような気がします。


第3部ラストは「ロック」。ロ…ロ…ロックですか?と目を疑いましたが・・・・いやぁ~ガチ「ロック」でした!!弦楽四重奏の奥行きの深さに驚き、心踊る感動をありがとうございました。
石田氏の男気おじぎスタイルもさることながら、序盤かなり大股で座っている。
1曲目「クリムゾン・キングの宮殿」息の合ったリズミカルな演奏で始まり、弾ける弦が徐々にエネルギッシュになり、時折立上らんばかりの熱の入った演奏。最終章では、弓がボロボロではないかと思うくらいの激しい演奏。気がつけば弓を交換していましたね・・・・
2曲目のクイーン「ボヘミアン・ラプソディ」これぞYAMATOの真骨頂。
弦楽で表現すると、こんなに魅力ある奥深いものに感じたのは私だけでしょうか・・・・素敵♡
3曲目の「ディープ・パープル紫の炎」は、とにかく圧巻の演奏。会場内が演奏に釘付けになり、最高潮!エネルギッシュでカッコいい!
コロナでなければ、思いっきりブラボー!!って叫んじゃいそうーに感動しました。

演奏者のやりたいこと満載・・・YAMATOの魅力をこれでもかと詰め込んだ、超重量級のコンサートは、満足感、ワクワク感を誰しも感じたと思います。ここ、ゆめたろうプラザだけへの特別な演奏プログラムに、沢山のファンも大満足だったと思います。

チェロの阪田宏彰さんが「終わって、無事に立っていられたら褒めてください」と冒頭でおっしゃっておられましたが、お客様からのはち切れんばかりの大きな感動の拍手で、「ありがとう」の心が演奏者に伝わったのではないでしょうか。


そして、アンコールはなんと3曲。
いつになく力強いアンコールの拍手に迎えられて、A.ピアソラの「ミケランジェロ70’s」、E.モリコーネの「ニューシネマパラダイス」、レッド・ツェッペリンの「ブラック・ドッグ」を演奏。

清清しい終演となり、本当に楽しかった~。感動をありがとう~。
こんな時だからこそ、生コンサートの感動が益々恋しくなりましたね~。

by Star & S.A

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