タンバリンとアコーディオン。
両方とも学校でなじみのある楽器で、これはうれしい組み合わせ、と思いながらアウトリーチに参加したら、なんと実際にアコーディオンを見るのは初めてという子ども達に、ずいぶん昔の小学生である私はびっくりでした。そして、私の知っているアコーディオンはピアノのような鍵盤のついたものですが、かとうかなこさんの演奏するのは、クロマチックアコーディオンというボタン式のもの。ボタンの数は右手側に70、左手側に120とピアノの鍵盤よりも多いのです。
そして、田島隆さんはいろいろな国のタンバリンを持ってきてくれました。形は大小の丸だけでなく、四角形や八角形。皮も羊にトカゲ、ナマズまで。


そんな、よく見かけるのに珍しい楽器たちで演奏されたのは世界のダンス音楽です。フランスのワルツ、フィンランドやドイツのポルカ、イタリアのタランテッラなど。タランテッラの一つ「フニクリフニクラ」は日本では「鬼のパンツ」として知られていますが、ここで田島隆さんが歌も披露。
「マイムマイム」では、子ども達も手拍子で参加して一緒に楽しみました。立ち上がって手を振る動きもあるし、曲は速くなるし で、大忙し大喜びの一曲でした。(ずいぶん昔の小学校ではフォークダンスの定番だったのに、これも知らない子が多かった。)


お二人ともとてもパワフルです。かとうかなこさんは華奢な体に10キロもあるアコーディオンを持って軽やかに演奏し、田島隆さんは自在に動く手指でタンバリンからいろいろな音を引き出します。
タンバリンを早くたたくやり方も教えてもらいました。指を二つのグループに分けるインド式や手の三か所でたたくイタリア式。みんな田島さんの速さに目が離せなかったけど、家で練習してみたかな?


田島隆さんはタンバリンを自分でも作ってしまいました。材料調達はホームセンターや100円ショップでも。切ったりはったりねじで止めたり、こうやったらこうなるかなと楽しんでいるとできるそうです。
かとうかなこさんは自分のアコーディオンに名前を付けています。ピエールさんの作った虹色の「ピエコ」、ボタンがお寿司の上のいくらにしか見えない「いくら」。お二人とも音楽や楽器にとても愛情を持ってみえるのが、そしてみんなに楽しんでもらいたいという気持ちがひしひしと伝わってきました。


最後の子供たちからの質問も「タンバリンはどうやって作るのですか?」から「お二人は夫婦ですか」までバラエティー豊か。みんなの興味はいろいろなところにありますね。すぐ反応の返ってくるクラス、おとなしいクラス、クラスによって雰囲気は様々でしたが、それぞれの心の中に何かしまわれたようでした。
そうそう、お二人は夫婦ではありません。

by リリィ



<学校アウトリーチとは>

武豊町と協働でゆめたろうプラザを運営してるNPOたけとよは、2005年度から舞台芸術のアウトリーチ活動(以下アウトリーチ)を武豊町教育委員会と 共に行ってまいりました。

武豊町学校アウトリーチは、芸術を表現する側と観る側の垣根を越えて、アーティストと参加者の間でお互いに積極的な交流がで きるプログラムを目指すもので、小さい会場(音楽室など)・少人数(クラス単位)で、プロの演奏や表現を鑑賞したり、一緒に参加してもらったりします。

私た ちは武豊町のすべての子どもたちに、目の前で優れたプロアーティストの芸術を体験する機会を作りたく、2010年度から毎年町内の全小学校の4年生を対 象にアウトリーチを行っています。

残念ながら昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止措置として中止になりましたが、皆さんからの要望と、学校の先 生方の支えのおかげで、今年度は5/24(月)~6/11(金)の期間にすべての4年生と5年生(全23クラス)にアウトリーチを体験してもらうことができました。

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