2016年9月4日(日)、ゆめプラサロンコンサート2016「ロシアより愛をこめて」が行われました。

9月のサロンコンサートは、ロシアの若きピアニスト、ニコライ ・サラトフスキーさんだった。

プログラムを見てまずびっくり。ブラームス、ラベル、リスト、そしてロシアの作曲家チャイコフスキー、ラフマニノフ、プロコフィエフと大曲のオンパレード。

一部の最初はブラームスの「6つの小品」
ドイツロマン派の代表的な作曲家の最晩年の作品。大げさではないが彼の歌曲のような美しい曲。6曲があまり間を取ることなく演奏される。



続いてラベル「ソナチネ」
フランスらしいおしゃれな音楽。ニコライさんのピアノは、まるでお話しを聞いているような語るピアノ。思わず引き込まれていく。

リストはダイナミック。壮大な音楽絵巻のよう。そしてその中に繊細さが。コロコロと粒のそろった美しい音!



二部はオールロシアプログラム。

まず、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」
もともとバレエ音楽で、オーケストラで演奏する曲を編曲したもの。実に楽しい!彼のピアノを聴いていると、バレエダンサーたちが踊っている様子が見えるよう。

続いてラフマニノフ「前奏曲集」より2曲。
ニコライさんは、作曲家としてもピアニストとしてもラフマニノフが大好きだという。彼の愛が伝わってくるような演奏だ。

そして、プロコフィエフのバレエ音楽「ロメオとジュリエット」より
ベローナの街の朝の様子、そして若いジュリエットの様子、モンタギュー家とキャピュレット家の緊張した関係、色々な情景がニコライさんのピアノから浮かび上がってくる。



最後はチャイコフスキーの交響曲「悲愴」の3楽章
オーケストラの為の曲をピアノ用に編曲したものは、演奏するのが難しいのだけれど、ニコライさんのピアノを聴いていると、なんということもないように聴こえてしまう。小柄なわけではないが、決して大男というわけでもない彼のパワーに脱帽です。

ロシアの空気や土地の匂いのようなものを体で知っている人のロシアの曲が聴けたのは、ちょっと嬉しい。

アンコールはショパンのワルツ2番でした。

「ピアノが嫌になったことはありませんか?」と聞いたら、何を言っているか意味がわからないというような顔をされました。「自分は、まだまだ勉強したいことがたくさんある。だからピアノを嫌になったことは一度もない。」と言われました。
29才。若いピアニストです。確かな技術と謙虚な柔らかい心を持っています。これからの彼のピアノを聴き続けたいと思いました。


by ルーシー


サイン会でのワンシーン

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