7月1日(水)~7月4日(土)まで石膏デッサン体験教室が開催された。今年度から講師を油絵の小林克敏さんにお願いした。絵画専門なので、明暗の色みについて詳しい指導をしてもらえた。参加者は初心者8名、経験者2名だったので、初心者用のアグリッパ像を2体用意した。

例年のようにどの参加者も集中して熱心に描いていていて、「時間が『あっという間に』過ぎていた」と参加者全員が感想に書いていた。
初めて描く小学生や中学生が、「形をとる」とか「測り棒を使う」とかに戸惑っていた。なかなか思うような形が描けず、石膏像の顔の部分を自分なりに悩みながら描いていた小学生の鉛筆の動きが止まっていた。そこで講師が、「どこかおかしいなと思うところがある?」と聞くと、「鼻が大きい」と答えた。「じゃ、実際に石膏像の鼻を触ってみよう」と、二人で石膏像の鼻を実際に触ってみた。すると「わりと細いんだ」と納得したようで鼻を細く描き直した。すると、「うーんここも細くなるし、ここも違っている」と、再び鉛筆が動き出した。「おかしいなと思うところは、すぐに消すのではなく、直して正しいと思う線が引けてから消すといいよ」と、追加のアドバイスがでた。「なるほど」と言いながら、さらに目と手が動き出していた。



木炭でのデッサンが初めての参加者多かったが、「鉛筆とはやっぱり違う」と苦労しながら、それでも木炭で描くのは面白いと懸命に描いていた。講師からも木炭の持ちかたや芯の抜き方など細かい部分の話があった。描き出すと「なるほど、これか」と声が漏れていた。初めてのことに挑戦し、何とか頑張ろうとするときには、やはり驚きと気づきがあるのだなと見ていて感じた。

担当者の知り合いで、講師の大学の後輩にあたる若い方がアシストに来て、小学生を中心にアドバイスしてくれた。「ここは、どう見える」とか「ここまで描けたのだから、ここの部分はどう?」と、子どもの声を聞きながら、子ども自身が気づくように話しかけていた。気づいた子どもたちは、次から次への目と手が動き出し、鉛筆が走っていた。


石膏デッサンを描くというのは、石膏像をそっくりに描くという目標もって、悩みながら自分の中に答えを見つけることで、自分なりの真実に近づくことなのかもしれない。もしかしたら、参加者の皆さんは、そこに描くことの喜びを感じていたのではないだろうか。そばで一緒に見ていた私も、参加者の真剣な眼差しと熱く描く姿を見ていて何となくうれしくなった。熱はうつるのだ。
