2016年5月17日(火)響きホールにて、ゆめプラサロンコンサート2016 vol.2「豊饒な重低音 コントラバスの魅力」が行われました。

読売日本交響楽団ソロコントラバス奏者の石川滋さんと、ピアノの鈴木慎崇さんによる、コントラバスの魅力を存分に楽しめるコンサートでした。

普段オーケストラではステージの奥のほうで横向きに演奏している姿がなじみ深いコントラバスですが、ソロで客席に向かって正面を向いた楽器の重低音の響きは、ホール内の空気を揺らし、足元からは振動が伝わってくるものでした。
サンサーンス『動物の謝肉祭』から「象」をユーモラスに演奏されたときには客席から笑いが起き、ボッテシーニ「タランテラ」では左手が指板を上下に激しく行ったり来たりしての熱演には、客席からはため息を含んだ拍手や「ブラボー」の賛辞の声が出ました。



また、チェロの名手P.カザルス「鳥の歌」、J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」、サンサーンス『動物の謝肉祭』から「白鳥」など、チェロ演奏で有名な曲をコントラバスで奏でると、情感たっぷりの歌い方や、高音域の豊かな響き…チェロとはまた違った美しい演奏を聴くことができました。

武豊では珍しいソロコントラバスのコンサートは、お客様にとっても、期待度の高い公演だったようで(チケットは完売!)、客席の空気がステージに向かって集中しているのを感じました。しかしプログラムの合間には石川さんが和やかに曲の解説などをお話ししながら場を和ませてくださって、公演中のホールは終始とても良い雰囲気でした。



【本日のプログラム】
  P.カザルス/鳥の歌
  J.S.バッハ/無伴奏チェロ組曲第一番よりプレリュード、アルマンド、ジーグ
  C.サン=サーンス/「動物の謝肉祭」より白鳥、象
  N.ロータ/コントラバスと管弦楽のためのディヴェルティメントより第1.3.4楽章
  S.ラフマニノフ/チェロ・ソナタより第3楽章
  G.フォーレ/夢のあとに
  J.マスネ/タイスの瞑想曲
  ボッテシーニ/夢、タランテラ
 (アンコール)
  鈴木鎮一/前奏と名古屋の子守唄
  N.ロータ/コントラバスと管弦楽のためのディヴェルティメントより第2楽章

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