2015年3月21日(土),芸術と科学のハーモニー特別講演会が行われました。


満員の中,響きホールで行われた講演会,「音楽がある、人生がある 音楽療法の魅力~ラスト・ソングを求めて」は,佐藤先生の穏やかな語りと,聴衆の皆さんの熱い思いが作り出した豊かな時間となりました。「先生」ではなく「佐藤さん」と紹介して欲しいとの言葉の通り,誰でも分かりやすく話され,聞いている私たちの気持ちを受け入れてくれているようでした。米国での音楽療法の様々な体験を通し,死を目前にしたクライアントとその家族の心温まるエピソードを,時には貴重な映像も見せながら紹介し,音楽療法の可能性と重要性を話してくれました。そこでは,家族で共に歌ったり,音楽を奏でたりすることで,豊かな最期を迎える姿があり,あらためて,「音楽の力」の大きさに気づくことができました。

参加者からの質問の多くは,それぞれの体験をもとに,どうすれば家族やお年寄の残りの時間を支えていけるだろうかという内容でした。一つ一つの質問に丁寧に答えながら,それでも音楽療法が全てではなく,その人その人に合う支え方を求めることが大切であると話されました。佐藤さんの誠実さが強く伝わってきました。講演が終わった時,自分のラスト・ソングは何になるのだろうと考えていました。

余談ですが,会場で話を聞いた地元の中学校の校長先生が,「是非,中学生に『命のはなし』として講演して欲しい」と依頼したところ,快諾を得ることができました。死は誰にも平等に訪れます。その死を見つめることは,よく生きることにもつながると思います。佐藤さんの話を通して,中学生が深い想いを持つことに期待したいと思います。

素晴らしい話をしてくださった佐藤さんと,熱心な来場者の皆さんとが一緒に作り上げた講演会に感謝します。佐藤さんの著書『ラスト・ソング』も是非お読み下さい。

by 高木PAPA

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