2011年1月28日(金)、パパ・タラマフラの白雪姫が行われました。

薄暗い舞台に7本のニョロニョロが踊っている
……という、なんだかヘンテコな場面から始まったパパ・タラフマラの『白雪姫』。
見ているうちに「ああ、7人の小人か」と気づいたけれど、
やっぱりなんだか変。



ど迫力の継母(白石加代子かと思った)と小人が接触しているあたりから
ストーリーにこだわることを放棄しました(笑)

真っ白な衣装の白雪姫は、息をのむほどの神聖さと
エロかわいい俗っぽさをあわせもつ、まさにカリスマ。
小人や狩人だけでなく、観客もメロメロでした。



狩人と継母のダンスは、キレがあってかっこよく、目が離せません。
残酷な場面でもあるので、ハラハラドキドキでした。

後半になると、ストーリーはますます破たん(?)
でも、色あざやかで大音響のにぎやかな世界に圧倒されました。
ボンボン王子、かわいかったな(笑)



ダンス公演という、見慣れないジャンルの観劇でしたが
ダンサーの高い身体能力に感動しきり。
ダンス公演に理屈はいらないのかもしれません。
小鳥のように枝にとまる白雪姫やムエタイをさらに激しくしたような狩人の乱舞は、
セリフにも勝るものがありました。

そうそう、途中で白雪姫のオブジェ(人形)が出てくるのですが
最初、人形なのか本物なのか、区別がつきませんでした。
それぐらい、人形が精巧にできている。
オブジェの精密さも、パパタラフマラの魅力のひとつです。
でも、逆にいうと、
ダンサーが人形にもなれることを、観客は体感してしまっているのです。
だから、人形を見て「もしや本物?」と思ってしまう。
人形だ、とわかったときに、改めて「生身のダンサーってスゴイ」と感じたのでした。



物語の内容は、正直にいうと、よくわからなかったです。
でも、舞台を見ていて、小学4年生のころを思い出しました。
異性を意識し始めて「えっち」だの「や~らしぃ~」だの言いだすころ。
死に対して、むやみに恐れたり憧れたりしていたころ。
これって、白雪姫やボンボン王子そのものじゃん!

パパ・タラフマラの『白雪姫』は、斬新だけれど、決して遠い世界観を描いたものではない、
そんな気がしました。

By サラダ

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