2024年5月26日(日)ゆめプラ サロンコンサート2024 vol.2
宮本妥子「打楽器×狂言~この音楽はあなたを異空間に誘う~」が行われました。

マリンバ・打楽器奏者の宮本妥子さんと島田菜摘さんは、今年度のアウトリーチアーティストとして、5/14~23に武豊町内全小学校の4年生のクラスすべてに音楽の出張授業を行ってくださいました。
今日の公演に合わせて会館ロビーにはアウトリーチの写真なども飾って、ご来場のお客様にも子どもたちとアーティストの交流の様子を見て頂きました。

ホールに入るとステージ上にはたくさんの打楽器が並び、中には見慣れない楽器も。
開演時間になると全体が真っ暗になり、ステージ中央でぼんやり光るふたつの人影の間に、光の粒が木琴のような音色の粒とともに細かく速く動いていました。ブラックライトによる演出で、公演タイトル通り、幻想的な「異世界」に一気に誘われました。

太鼓やドラなどの打楽器群で演奏された「シュラーク(皮質打楽器によるDuo)」は、大地の鼓動のような太鼓の激しいリズムが身体にもズシンズシンと伝わってきて客席もぐっと集中が高まりました。
曲と曲の間は、雷鳴のような音、雨の音、木の実がこすれる音など深い自然の中にいるような気持になったまま、マリンバとジャンベによる「ガーナイア」が躍動するリズムにのって演奏されました。
マリンバの低音がホールによく響き、とても耳心地が良いものでした。

そして次の曲は一つのギターを挟んだ二人が、弦をバチで叩きながら演奏する「シーソー(1本のギターによる打楽器的連弾)」。
指で弾く音とは違い、繊細で優しい、チェンバロに近い音がしていました。
二人が演奏している手元を舞台上のスクリーンに投影する演出もあり、細い弦を細いバチで細かく叩く難易度の高い技術もしっかり見ることが出来ました。

一気に1部前半の曲を終えて、宮本さんのMC。
12年ぶり2度目のアウトリーチ訪問だった話や、今回の子どもたちの様子のお話、アウトリーチでも行った詩の朗読がありました。
客席にも何人かの子どもの姿があり、アウトリーチ授業を受けてくれた子も来てくれていたようです。

「アメイジング・グレイス」をマリンバ連弾の演奏で聴いたあとは、舞台上で大転換があり、ステージ中央前方には黒い台の上に座る宮本さんを囲むように置かれた大小さまざまな大きさの「おりん」!
仏壇の前に置かれている、あの、「おりん」です。様々なもので叩いたり撫でたりして出てくる音は、耳の奥の方に届き、心の深いところにも響く不思議な感覚でした。
客席や舞台の奥など多方向からも音が聴こえ、客席にいるのに宇宙空間にいるような浮遊感を感じる演奏でした。

休憩をはさんで第2部は、舞台上にマリンバとビブラフォンだけが置かれたシンプルな舞台になり「動物の謝肉祭」を狂言師・網谷正美さんによる狂言回しで演奏を楽しめる演出の舞台でした。
はじめに網谷さんがにこやかに登場すると、客席からは大きな拍手と笑いが起こりました。

網谷さんによる狂言の解説からはじまりました。
狂言は「心の目で見る」ものであり、狂言師が「ここに、ある」と言えば、深い茂みも、カラスも、猿も見えてくる、観客の感性も演出のひとつである文化芸術ということ。
それを踏まえて、網谷さん演じる「マサイ族のマーサイ」さんのガイドで日本人15人のツアー客とともに、不思議な動物の王国をめぐるツアーが始まりました。
2部は、1部の幻想的な世界とまた違った、映画の「ジュラシックパーク」のようなドキドキワクワクする「異世界」へ誘われました。

サン=サーンス「動物の謝肉祭」の楽曲を2台の鍵盤打楽器で演奏し、音色やテンポを変幻自在に操り、動物の大きさ・重さ・歩く速さなどを表現するとともに、網谷さんのコミカルな狂言によって、ステージには様々な動物たちが駆け回っているように「見えて」いました。
アウトリーチでも取り上げられていた「ライオンの行進」「水族館」「終曲」では、「あ!この曲聴いた!知ってる!」というような反応をする子供さんの姿も見ることが出来て微笑ましかったです。
網谷さんの、狂言の「型」に基づいた、よく響く声、話し方、動き方も相まって、てんやわんやの動物王国ツアーは、お客さまにはとても楽しんでいただけたようでした。

アンコールは「花は咲く」のマリンバ連弾の演奏。舞台照明でステージ後方にはたくさんの花が浮かび上がり、客席は温かい空気に井包まれました。歌を口ずさんたり身体を揺らして楽しまれているお客さまもいました。

様々な楽器の演奏と、工夫を凝らした演出で、盛りだくさんなプログラムを楽しむことが出来ました。
普段のサロンコンサートとはひと味違った、コンサートを越えた舞台芸術だったと思います。とても楽しかったです。
by S.A.

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