7月17日、サイエンスレクチャー2023 田中康平講演会「恐竜たちのナゾを解き明かそう」が行われました。

田中先生は日本において恐竜研究の最前線で活躍されている研究者の一人です。

会場の輝きホールは、小さな子から大人までたくさんの人がお話を聞きに来てくれました。

前半は恐竜化石発掘のお話でした。

今回は昨年行かれたというモンゴル・ウズベキスタンでの発掘の旅について、目的地までの道中や食事、発掘風景の様子など写真や動画を使って解説してくれました。

この旅では、肉食恐竜の頭部の化石を見つけたそうですよ。

そして発掘のお話のなかで、ティラノサウルスの歴史を紹介してくれました。

この部分は子ども特派員二人と協力して5mのメージャーを歴史の長さに見立ててわかりやすく表現してくれました。

なんとティラノサウルスが存在している期間のなかで、最強と言われている期間は最後の方のほんの短い間で、ほとんどの期間は小さくて弱い恐竜だったみたいです。

弱い時代と最強の時代の化石は見つかっているのに、その間の化石はまだ見つかっていないとの事。この空白の期間のティラノサウルスの化石を田中先生は見つけたいと言っていました。ちなみに愛知県で恐竜化石はまだ見つかっておらず、渥美半島のごく一部に恐竜と同じ時代の地層があると教えてくれました。 可能性はゼロではないです!

☆今回の講演会に合わせてた関連企画として「知多半島の化石」展もありました。師崎層群から発掘された貝、鉱物に関する本や、発掘道具などの展示もあり、化石に詳しいスタッフから解説をも聞くことができました。

講演会の後半は卵化石のお話でした。

田中先生は恐竜の巣作りや子育てを中心に研究しており、先生は卵の殻にはたくさんの穴があいているものとあいていないものがあることに注目し調査をすることで、卵を地面に埋める恐竜と卵を親が温める(抱卵)恐竜の二種類がいたことにたどり着いたそうです。

講演会を聞けなかった方は田中先生の著書「恐竜学者は止まらない」を読むと詳しくわかりますよ。

そこで、田中先生は卵についての3つの実験を用意してくれました。

①拡散の実験・・・卵の殻の穴の数の多いものと少ないものとの違いによって水分や酸素・二酸化炭素の移動に違いがあるのかを水の入ったコップを使って見せてくれました。結果、穴の数が多い方が卵の中の水分が外に出やすいことがわかりました。この実験で、水分の多い地中に埋められている卵の殻と、乾燥した巣の中で温められる卵の殻の違いがわかりました。

②熱伝導率の実験・・・土と砂に同じ温度のものを埋めたときにどちらの方が早く表面に熱を感じることができるかを検証しました。このことで卵を地面に埋める場所について考えました。

③卵の強度の実験・・・ニワトリの卵30個の上に特派員が一人づつ立ってみました。卵は潰れておらず、これで親が卵の上に乗っても潰れない強度があることがわかりました。

講演会の終了後は、田中先生が使っている発掘の道具や化石のレプリカなど間近で見せてもらえる機会もあり、卵の大きさや爪や歯の形など確認することができました。

お話だけでなく、クイズや実験などとても楽しくてわかりやすい講演会でした。そして、もっともっと恐竜について知りたいと思いました。

ここからは、こぼれ話です。

田中先生は同じ講演会はしないそうです。少しずつ内容が違うそうです。他の会場にも行きたくなっちゃいますね。

そしてなぜ恐竜の体が大きくなったかということを研究中との事でした。研究発表が楽しみです!

講演会の開演の前には子ども特派員の7人の質問にも丁寧にわかりやすく答えてくれていました。

☆子ども特派員と記念撮影

田中先生、本当にありがとうございました。

                                By Spring

 

3月にテレビ放映されたNHK恐竜超世界1,2では、恐竜がどんな生活をしているのかが、生き生きと描かれていました。

白亜紀の最後に小惑星衝突で絶滅してしまった恐竜。化石でしか見ることができない恐竜の生活がなぜわかったのでしょうか?

恐竜の卵の化石、巣の化石を研究しながら、今の地球上にいるワニや鳥たちと比較することで、恐竜の生活を解明した田中康平先生から、発掘調査の様子や、実験とクイズを交えながら、楽しく恐竜のナゾをお聞きしました。

恐竜図鑑や恐竜の本も面白いですが、今まさに恐竜の研究をしている先生のお話はいかがでしたか?

ティラノサウルスの化石は、たくさん見つかっている時代と、空白の時代があるなんて、初めて知りましたね。

恐竜の卵は、ウミガメのように温かい砂に埋められて育つ。

恐竜の中には、鶏などと同じように、親に温められて育つ。

卵の殻の違いの実験や、卵の温まりやすさの実験も面白かったですが、埋める卵は丸くて、温める卵は長細いのも面白かったですね。

卵を温めるのには、ワニのようなウロコの体よりも、羽毛に覆われた体の方が卵は温かいので、羽毛も関係あるのかなと田中先生にお聞きしたかったです。

☆恐竜好きなみなさんにこんな情報が入ってきましたよ☆

なんと!福井県立大学に2025年から恐竜学科が新設されます。

恐竜学者を養成する、恐竜学科が福井県立大学にできます。

未来の恐竜学者がこの大学から出るかもしれませんね!

大学のURLはコチラ

https://dinofaculty.jimdofree.com/

                                   By Prof. 

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