2025年5月12日~16日、チェロ奏者海野幹雄さんとピアニスト海野春絵さんによる「学校アウトリーチ」(おでかけ授業)が開催されました。
初日は衣浦小学校で、4年2組26名の児童の目の前で演奏しました。始まりはエルガー作曲の「愛の挨拶」から。重厚でのびやかなチェロ演奏に引き込まれます。
4年生といえばとても多感な時期で、この時の感動は一生ものです。武豊町では開館当時から町内すべての4小学校の4年生を対象にアウトリーチ事業を行っています。
2曲目の「白鳥」を演奏前、海野さんは子どもたちに語りかけます。「1886年に『白鳥』が作曲された頃、武豊では武豊線が開通しています。140年くらい前のことですが、武豊では汽車が走っていたのですね、武豊町はすごいですね。この曲はその頃に出来た曲です。ピアノは湖面のきらめきを表して、チェロがその上を泳ぐ白鳥を演奏します。羽根を広げたり、首を伸ばしたりしている情景を思い描きながら聞いてください。」
「次はピアノのお話と演奏を聴きましょう。ピアノの前に集まってください」

今度はピアニストの海野春絵さんが優しく語りかけました。児童はピアノの周囲に集まって、ハンマーで叩いて出る音に耳を傾け、ペダルの役割など、ピアノの構造の説明を聞いた後、トルコ行進曲の演奏に合わせて手拍子を打って演奏に参加していました。手拍子を打つタイミングが来たら上手に音楽に合わせてピアノと手拍子で曲を盛り上げました。
海野さんは武豊の話を織り交ぜながら、子供たちを引き付けています。
途中、こんなお話もされました。


「チェリストがピアニストをうらやましく思うことがあります。チェロは弦が4本しかないので、いろんな音を出すのが大変ですが、ピアノはいっぱい音があります。チェロは弦を押さえる位置を変えることで音の高さを変えることができますが、0.数mm位置が変わるだけで音が変わってしまうので、難しい。ですが、チェロの良いところはビブラートが出せるところです。ピアノには出せません。音を途中で大きくしたり、同じ音の大きさを出し続けることが出来ます。ピアノは初めに大きく、後は段々小さくなるだけです。ピアニストもチェリストを羨ましいと思っている事でしょう」

最後の曲は「ハンガリー狂詩曲」の演奏です。作曲家のポッパーは、1843年 チェコのプラハで生まれました。とても上手なチェロの演奏者だったので、演奏がとても難しい曲を作りました。演奏が始まると生徒は一斉に曲に引き込まれていて、呼吸すら忘れているようです。

最後は衣浦小学校の校歌を演奏に合わせて、声高らかに歌いました。アウトリーチ担当者も衣浦小学校出身ということで、昔を思い出しながら一緒に歌い涙ぐんでいました。 どの学校も海野さんとコラボをする曲の準備をしていましたが、二日目の武豊小学校は、リコーダーによる合奏で「聖者の行進」を演奏しました。三日目、四日目の緑丘小学校と5日目の富貴小学校は「ありがとうの歌」を歌いました。
授業の最後に質問コーナーがあり、色々な質問がありました。

Q:「チェロを始めたのは何歳からですか?」
A:14歳です、母はチェリストでしたが、子供を産んでからは演奏を止めていました。その母が突然チェロを弾きだしたのでびっくりしました。母に出来るなら私にも出来ると思い始めました。
Q:「チェロの値段はいくらぐらいですか?」
A:一番安いのは5万円位からあります。高いのは5億円ぐらいです。
Q:「武豊をどう思いますか」
A:歴史ある町ですごいところですね。
質問の中で印象的だったのは、海野さんはチェロを始めたのは14歳と回答していますが、「これからみんなは将来なりたい職業や夢が出てくると思うけど、今だったら何にでもなれるよ!」というメッセージを添えられていたことです。音楽に触れ、これから学びの幅が広がることのきっかけとなるアウトリーチをこれからも武豊町と協働で続けて行きたいと思います。
海野幹雄さん、海野春絵さん素敵な音楽のプレゼントを武豊に届けてくださりありがとうございました。
by Sakura
