12月15日(日) 輝きホール(全席指定)にて、オペラシアターこんにゃく座のオペラ「森は生きている」の公演が行われました。

当日は、寒さが一段と進み冬空のお天気でしたが、各地より沢山のお客様にご来場いただき、心より感謝申し上げます。

そう言えば随分前から、ゆめたろうプラザのロビーで公演案内のプロモーションビデオが繰り返し流れていましたね。

なんとなく耳にしていた人もいると思いますが、「もえろ♪もえろ♪明るくもえろ・・・♪」とついつい口ずさんでしまうようなオペラの一場面。ワクワクしながら来場いただいた方もいたのではないでしょうか。

さて皆さんは、こんにゃく座さんのことを知っていましたか?

実は今年20周年を迎えた「武豊ゆめたろうプラザ」ですが、なんと20年前の開館した年に、オペラシアターこんにゃく座の「森は生きている」を招聘していたのです。今回の公演は計ったわけでなく偶然のお声がけであったもので、素敵なご縁を感じるところです。

公演の日は早い時間よりコリドールが「ザワザワ」。

心知れたお仲間やご夫婦、ご家族で、ご来場いただけているようです。

オリジナルのグッズ販売も人気のようで、皆さんが品定めしながら開場まで時間を楽しんでおられました。

13:30になりオンタイムで開場しましたが、大勢のお客様に対応する中でチケットの確認にお時間を頂くこととなり、ご迷惑をおかけしました。

ところが気がつくと、その場にいた幼稚園の子どもたちが「もえろ♪もえろ♪明るくもえろ・・・♪」とオペラの歌「森は生きている」をみんなで合唱しているではありませんか!ロビーの空気が、ほのぼのとした雰囲気に一変し、一緒に並んでいたお客様も、いとおしく優しい気持ちに包まれたと思います。

輝きホール場内は、ほぼ満席に近く、舞台は緞帳が上がった暗転状態。

そこからピアノソロ演奏にスポットライトがあたり、「森は生きている」オペラの幕開けです。

舞台美術も完成された配置でロシアの暗く深い森を表しているようです。

本日朝一からの搬入設営なので、舞台装飾は簡素なものと思っていましたが、舞台には開帳場や奥行きを感じる書割などが配置され、洗練された立派な装飾が施されていました。

マイクを通さない歌声は、輝きホール全体に響きわたり、客席の最後尾まで歌声を届けます。歌役者の歌い語り演じる力によって、会場は一瞬にしてオペラハウスに変わりました。

ロシアの暗く深い森の中で、自然のまもり手1月から12月の時を司る精たちが年越しする準備をしている。娘が継母に薪拾いを言いつけられて、厳しい寒さのなかで命を落としそうになるが、焚き火にあたらせてもらい、精たちに助けられたところで第一部が終了しました。

休憩が終わり第二部は『4月に咲く、マツユキ草が今すぐ欲しい』と言い出したわがまま女王により国中が大騒ぎするシーンからはじまりました。褒美の金貨に目がくらんだ継母と姉娘の言いつけで、娘はこの季節に咲いているはずのないマツユキ草を探しに、ふたたび真っ暗で寒い冬の森へと進んでいきます。

森の中では1月から12月の精が新年を迎える儀式をおこなっていました。娘の話を聞いた4月の精が娘の頼みを受け入れ、他の月の精に一時間だけ時を譲って欲しいと頼むことで、マツユキ草が芽を出します。女王にマツユキ草を差しだすが・・・・

それだけで満足出来ず、わがまま女王が家来たちと森へ入ります。しかしそこは冬の暗い森の中。マツユキ草などあるわけがなく、凍死しそうになる女王と家来たち。焚き火にあたり、月の精たちの説得で命からがら森をでることができたのです。

自然のちからは権力でゆがまない。人間と自然が寄り添いながら、ともに生きる力を共存しているのだと改めて気づかされます。

心まであったかくなる歌とストーリーに魅了されました。感動-ブラボー!!

これがオペラかも知れません。

私も含め、初めてオペラを鑑賞した人や子どもたちも、このオペラに触れ感動してもらえたと思います。素晴らしい歌とストーリーで、いつの間にか、自分も優しく清い心に変化している感じがします。

オペラシアターこんにゃく座は「新しい日本のオペラの創造と普及」を目的に掲げ日本語のオペラ作品をレパートリーとするオペラ劇団として、1971年に創立されました。

かつては、役者も裏方さんも道具もすべて一台のバスに乗せ、各地を回ったそうです。子どもたちに本物の芸術を間近で体験してもらい、日本語の響きを大切にした親しみやすいオペラに触れ合える活動をしています。

子どもから大人まで楽しむことのできる沢山のオペラ作品を創作し、全国各地また海外まで公演をおこなっています。年間の総公演数は200を超えていて「森は生きている」は1992年初演を向かえ今日までのロングランとなっています。

とても素晴らしい公演を再びゆめたろうプラザで上演することができ、最高の一時を過ごせました!

by Star

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